ユニクロの「UTme!」 全著作権謙譲は本当に問題なのか

 5月19日、ユニクロがサービスを開始させた「UTme!」。当ブログでもご紹介したサービスだが、開始早々、利用規約の一部分に関してネット上で議論を呼んでいる。

UTme!(ユーティーミー)は、スマートフォンからコンテンツ性の高いオリジナルTシャツを簡単に作成・注文できるスマホ向けアプリ。今回、ネット上で議論をかもし出している原因は「著作権」について。

UTme!の利用規約には現在、デザインした著作権をユニクロに譲渡する事と、デザイン作成者(著作者)が持つことのできる「著作者人格権」を行使できないと記載されている。UTme!利用規約の一部、問題点とされる文面を以下に引用。


・ユーザーは、投稿データについて、その著作物に関する全ての権利(著作権法第27条及び第28条に定める権利を含みます)を、投稿その他送信時に、当社に対し、無償で譲渡します。

・ユーザーは、当社及び当社から権利を承継しまたは許諾された者に対して著作者人格権を行使しないことに同意するものとします。

 この文面がネット上で話題となり、様々なメディアも「注意点」として利用規約の一部に関して取り上げました。ネット上では「ジャイアン規約だ」などと騒がれるこの一件、これほどの騒ぎになる「利用規約」に問題性はあるのだろうか。

利用者はビジネスか遊びか。「UTme!」が個人的に残念と思うところ

 UTme!の利用規約に関し、SNSなどでは「デザイナーの人は使うべきではない」という反応が多い。しかし、デザイナーが「UTme!」をビジネス的な利活用をするのだろうか。

UTme!はオリジナルのデザインTシャツを作れるが、デザイン方法にはかなりの制限がある。多様なデザインはできない。そのアプリを使って、デザイナーがわざわざビジネス目的のサンプル品を作るなんて実際、あり得ないと思える。

もし、デザイナーが使ったとしても、それはビジネス的な目的では無く「遊び感覚」であろう。そもそも「UTme!」自体が、若者向けに遊び感覚でTシャツをデザインしてもらい販売に繋げるユニクロの「遊びアプリ」だろう。シェイクするプロモーション動画を見てもそうだ。

今回の一件、デザイン作成の遊びアプリ「UTme!をデザイナーがサンプル作成に使う」などと思う人間が「危険だ」などとネット上で捲し上げ、あれよあれよと「ジャイアンみたいだ!」などと更にネット民の炎上魂に火を付け、重大な問題のように広がった。この一点に本当の問題があるのではないだろうか。

個人的に残念と思うのは、利用規約で定められている著作権問題で、せっかくシェアし合える「UTme!」のプラットフォーム性が損なわれているように感じてしまう。そもそもユニクロが「デザイン・プラットフォーム」を意識しておらず、オリジナルデザイン作成の「遊びアプリ」以上のサービス展開を考えていなければそこまでだが…。

今回の著作権問題も影響しているのかもしれないが、リリース直後のメディアやSNSの反応を見る限り非常に関心が高い。将来的にはデザイン方法が増え、オープンに売買し合えるサービスとなって、利益の数パーセントがクリエイター(デザイン作成者)に回る仕組みになれば面白いと思っていたりもする。

追記・20日、ユニクロは著作権をユーザーのものにするとUTme!利用規約の変更を提言。

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