2014年5月3日土曜日

動画メディア「Buzz Feed」が見据える、バイラルメディアの行く末

 動画や画像コンテンツをメインにして情報発信をおこなう俗に言う「バイラルメディア」。近年では国内外で急激に増殖した新興メディアだが、本場・米国のバイラルメディアの盛り上がりは今でも大きい。

米国では特に「BuzzFeed」、「Upworthy」あたりが有名であり、前者のBuzz Feedは現在、米国のみならず、日本などの国外にもオフィスを設ける勢いを見せている。
バイラルメディアは元々、インターンネット上の動画をまとめ、コンテンツ配信をおこなうもので、手軽さゆえに様々なバイラルメディアが次々と立ち上がった。

しかし、最近のバイラルメディア界はどうだろう。米国では独自のビジネスを展開し、マネタイズに成功しているメディアが存在する一方で、国内のバイラルメディアの露出、盛り上がりは減少したように見える。また、マネタイズに成功したという動きも見えない。

バズ・フィードが考える「バイラルメディア」の姿

 大手「BuzzFeed」のウェブサイト内には一切、バナー広告は存在していない。しかしながら、年間収益は60億円以上とメディアビジネスにおいて成功をおさめています。バナー広告を展開しないバズ・フィードが力を注ぐものに、「タイアップ広告」の存在がある。
タイアップ広告は別名、記事広告であり、コンテンツと分類せずに広告をコンテンツ形式で配信する。しかし、バズ・フィードがここまで成功をおさめる要因は広告活動以外にあります。

バズ・フィードは動画や画像コンテンツのまとめサイトでありながら、長文ジャーナリズムに注力し政治的影響力を持つほか、Google+と共にGIFコンテンツを配信する等、メディア性のあるオリジナルコンテンツの配信にまで気を配っている。
その点に関しては、BuzzFeedの編集長を務めるBen Smith氏が、ニュースを伝えるメディアが今後、どのような方向に向かうのかについて過去に発言しているので、一部を紹介したい。
「ニュースを伝える主体が、メディア組織ではなく、ニュースを伝えるライターやレポーター個人に比重がシフトしつつある」
「ソーシャルメディア環境の中で目にする記事は、内容がとても良いから自然と自分の目に入ってくるのであり、その記事を書いたライターの名前を過去に聞いたことがあるかないかはあまり関係ない」
「ある一つのコンテンツの読者や視聴者がどれぐらいになりそうか想定して、その想定される全ての読者や視聴者に届くようにすることを考えている」BuzzFeedの編集長...|IT企業のPR
つまり、ソーシャルメディア時代の今、情報発信者は組織も個人も関係ない。特定のメディアにユーザー自身から情報を探しにいく訳ではなく、自然とシェアされる良質な情報が読まれ、ユーザーは誰が書いた記事かという事を気にしない。

そのため、発信したコンテンツが常に個人・メディア媒体の枠を超えて、その他の膨大なコンテンツ全てと競い合っている状態だという。バズフィードでは、「BuzzFeed」という媒体では無く、配信コンテンツ1つ1つに対しての反応・評価に重点を置く戦略を取っているとの事だ。

その中での強みはなんと言っても、ソーシャル受け(シェア)される「まとめコンテンツ」。バズ・フィードはまとめコンテンツと共に、最新のニュースもBuzzFeed流の記事で配信しています。
「バイラルメディア=キュレーションサイト」という考えも根強いと思われるが、バズ・フィードはバイラルメディアに、ニュースメディアとしての価値を大きく付け加えている。

また、まとめコンテンツのおかげで、コンテンツと広告に境界線を付けないタイアップ記事のコンテンツ性も自然と上がり、結果、マネタイズにも成功している。ここが現在、日本国内にも無数に存在するバイラルメディアには無い性質だと言えます。

バズ・フィードから見えてくる「バイラルメディア」の未来

 最近、BuzzFeedがテレビネットワークでのサービス展開を始めようとする動きがあると、海外のメディアがいくつか報じている。

確かな情報は今のところ無い中、バズ・フィードは既に新たなサービスをテストし、いくつかのケーブルチャンネルとパートナー契約のためのサインもおこなっているのだとか。また、バズ・フィードの新たな広告展開の一部として、動画広告のサービスを開始するという情報もあります。
これに関しては後者の動画広告サービスの説が高いとされている。BuzzFeedの最高執行責任者(COO)はメディアに対し、「我々は、エンターテインメントマーケティング会社だ。」と述べたという事もあり、BuzzFeedのサービスを通し、映画・テレビ番組などの宣伝を魅力的にソーシャルメディアに拡散させる捉え方が強く出来ます。

このような動きから見えてくるのは、やはりバイラルメディアは動画コンテンツに対し、力を発揮するということ。バズ・フィードは、読者の60%が年齢18〜34歳の比較的若い成人で構成されており、ソーシャルメディアからのトラフィックは全体の約75%を占めている。
これらの特徴は、若者のテレビ離れが進むテレビネットワーク業界にとっては非常に魅力的な存在であるのは確か。また、将来的にはバズ・フィードはテレビネットワークとの関係性を高め、Amazon.comが展開するオンラインビデオサービスの様に、オリジナルのコンテンツシリーズの動画配信が可能ともなっていく。

先日、当ブログが配信した「スマートテレビに関する記事」で著述した様に、今後のインターンネットサービスの中で、動画コンテンツは更に強い存在へとなっていく事が予想されています。
バイラルメディアの一歩先をいく「BuzzFeed」。そして米国・日本国内に存在する数多くのバイラルメディア。今後、流行りに乗り、終わりを迎えるバイラルメディアもあれば、BuzzFeedの様に高いメディア性と戦略を持ち、新たな形のメディアへと成長する「バイラルメディア」が生まれていく事でしょう。

BuzzFeedが、従来のテレビネットワークとの結びつきを持ち始めた今、そして今後、バイラルメディアの本当の価値が見え始めてくるのではないだろうか。
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